Saturday, August 08, 2015

Inventions

自分の好きや嫌いと、世界は別である、ということがわかっていること。許せること。
或いは、自分を相対化できていること。世界が自分無しでも成立するということを、受け止めれるということ。

「例えあなたがいなくても 世界がただ在るのだと認めてあげること」(森山直太朗)


世界をどう表現するのか、いやもっとシンプルに、世界がどう見えているのか、を表出する、という話。

自分が、世界をどう表現するのか、いやもっとシンプルに、世界がどう見えているのか、の中に、つまるところ哲学も科学も含まれる。

J.S.Bach にとって作曲とは神の創出した世界から神の息吹を発掘することであった。Inventions は「発明、創案」という意味だが、「発見」が正しい。発明と発見はややもすれば、正反対に近いくらいの距離がある。J.S.Bach の時代の人々の神に対する信頼感が、世界観の表出に大きな影響を与えた。同様に、今の人々の世界に対する関わり方が、その世界観の表出に大きく影響する、というよりもそのものである。

彼らの時代の人にとっては、既に神(或は世界)によって存在している美を「発掘した/掘り当てた」感覚なのではないか。そこには恣意的な指向は極限までそぎ落とされ(だって、掘り当てるんだから)、寧ろ科学に近い希求だったのかもしれない。

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