Saturday, November 19, 2005

Raag と Taal のベクトル

Raag は抽象イメージとしての感情(ラサ)を表現目的とする。あくまで、Raag は抽象イメージとしての感情の表出をその即興システムの力をかりて行うのである。感情(くどいようだが、抽象的なイメージでの感情であり、情緒性や情動とは異なる)に還元してゆくのである。
Taal の表現とはいったいなんなのか、非常に分かりづらい。しかし、Raag がヨーガ的な奥行きを求めるのに対して、知的好奇心などの力によってリズムを抽象化、複雑化、システム化していったような感はある。いずれにせよ、Raag と同じような意味での感情なるものは Taal には存在しないようにみえる。ただ、Taal というシステム(概念)のみを複雑化させてきた。根本にあるシステムのイメージには輪や輪廻や時間や螺旋状に反復(無限の単純化)、、等々のきわめて扱いづらいテーマが存在している。しかし、実際の演奏としての Taal は根本のイメージを表出してゆくと言うよりも寧ろそのイメージをもとにシステム化された抽象的なパターンを組み合わせた物である。
このように殆ど重なり合わない二つの概念がくみあわされ、しかも即興で音楽として存在し得るのは不思議な事である。

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